絵画で広がるあなたの世界

芸術、美術、アート、そういった言葉にはどこか敬虔で近寄りがたいといった印象を持つ人は少なくないのではないでしょうか。確かに芸術などの才能については誰しもが持ちえるものではありませんし、また観賞するにしてもその絵画が描かれた、またその彫像が作られた時代背景やその作者が何を思ってそれを作製したのかなど何かしらの予備知識がなければその作品の真価は理解できないだろうというのが一般的な意見だと思います。しかしながら、本来芸術やアートというものは人が本能的に持つ衝動を形にしたものであり、それは決して知識や理性だけで理解することの出来ない部分が確かにあるのです。


絵画を例にとって考えてみましょう。この言葉を耳にしたとき、まず私達が頭に思い浮かべるのは美術館や展覧会で壁に掛けて展示される、たとえば荘厳な油絵などでしょう。それらには確かに作者の明確な意思や、またその時代において訴えかけるべき事柄だとか、そういったものが込められていることも多くあります。私達がそれを理解するのは確かに難しいことです。この世界において大半の人は美術についての専門的な知識は持ち合わせていないでしょうし、それに考えたり考証してみたりしたところで、それは誰かの主観的な考えでありそれが事実であるかは真偽の突き止めようがありませんからそれをそのまま受け止めるのも考え物です。ここで主張したいのは、そう言った知識や理性的なものの考えや、言い方を少し砕いてみれば御託はどうでもいいというのが私の考えです。


もっと本能的に、目で認識した瞬間に、それをあなたの身体が捉えた瞬間に感じたものを大切にすべきなのです。絵画、という言葉ではなくまず一枚の絵としてそれを認識してみてください。あなたもきっと幼い頃にはクレヨンや鉛筆を持って自分で絵を描いてみたことがあるでしょう。その時には自分の頭の中にある世界をそのまま表現して、本能的に自分のものを作り上げていっていたはずです。アートや芸術とは全てその延長線上にあると言っても過言ではありません。子供の頃私達が描いたように、芸術家と呼ばれる人々も自分を表現するため、自分の中に広がる世界を現すために描いているのです。それは非常に本能的で、かつ理性では理解しえない領域があるのです。あなたがもし絵画を見たとき、このことを思い出して、ただ全身でそれを楽しんでみてください。頭で考えるのではなく、全身で感じること。これこそが芸術の粋なのです。

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